真っ赤なトマトの気持ち

誰かに聞いてほしい気持ちを綴る

大嫌いだった父親が【大好き】に変わる!!

数年前まで大嫌いだった父

私の父はアルコール依存症だったと思う。

病院が嫌いで、父自身も否定していたから医師に診断された訳ではない。

だが、毎日甁ビールを10本ほど飲んでは怒鳴り、記憶を無くしていた。

怒りの矛先はいつも母と兄であり、私が怒鳴られたことは一度もない。

私が悪いことをしても、怒鳴られるのは母と兄だった。

そんな父は恐いと思うより、うざくて大嫌いだった。

 

孤立する父

そんな父はいつも家族の中で孤立していた。

酔っていない時はとても優しいく穏やかな性格をしている。

そのギャップが大きすぎて幼い私はさらに嫌いが増していく。

毎日怒鳴られている母や兄ももちろん嫌っていた。

今思えば、孤独を感じていたはずの父はとても可哀想だ。

 

数年前、脳梗塞ICU

毎日のアルコールに偏食、怒鳴りつづけていた生活習慣が悪かったのだろう。

意識不明、、、2・3日が峠だと告げられる程の重体だった。

このときは、なんとか意識を取り戻し退院できた。

しかし、足が不自由になり長く続けた仕事を辞めることとなる。

 

働くことが大好きだった父

定年を過ぎても働いていて、さらに働きたいと意気込んでいた。

退院後もリハビリをして必ず職場復帰すると言いつづけていたのを覚えている。

しかし足が治らず、会社へ迷惑がかかるからと退職した父は日に日に気力が失われていく。

生き甲斐を失い、その後さらに2度の脳梗塞を起こした。

現在は車椅子生活をしている。

 

今では必死に家庭を守ってくれていたと感じる

社会人となり自立すると仕事の大変さや生活費の工面、自分の時間を作る難しさを感じるようになった。

私の父はエリートではなく、土方仕事などの体力仕事で稼いでくれていた。

母が病気がちで私が生まれてから高校を卒業するまで3年に1度、1年程入院する。

小さな子供2人に入院する母、その上体力仕事、、、私なら途中で音を上げるだろう。

 

子供は苦労を感じなかった

学校生活やお小遣い、オモチャに食事、何不自由なく当たり前のように過ごしていた。

だが今思えば、高給取りでもなく貯金もない父に金銭的な余裕など全く無い、毎月赤字が増える一方なのが目に見えるくらいだ。

子供にはお金がかかるし、入院費だって高額に違いないのにきっと無理しながら工面し、心身共に疲れ果てていたはず。

今思えばお酒に逃げたくなっても仕方ないのに、幼い私には酔って怒鳴る嫌いな父としか映らなかった。

 

実はエビフライと甘いものがスキ

私が幼い頃、よくエビフライがでてきた。

お菓子も必ずあった。

エビフライもお菓子も子供ならみんな好きだと思う。

そして父もエビフライと甘いものが好きだ。

だけど私たち家族は30年以上誰も知らず、子供が独立して初めて知る。

父は今でも何も言わないが、子供に食べさせたかったのだろう。

私は父をちゃんと見ずに、酷い態度を取り続けていた。

 

親孝行をしたい

何十年も頑張り続けた父は仕事を終えた今、本当なら楽しく生活できているべきだと思う。

それが現実では、車椅子となり介護を必要とし、遊びに行くこともない。

私は今、自分の生活で手一杯で全く親孝行ができていない。

将来のことを考えずスキ放題生きてきた結果である。

早く自立して安定した生活を送り、親孝行ができるようになりたい。

それまでまだ時間がかかる・・・勝手だがそれまで父には頑張っていて欲しい。

 

親を嫌いな人はもう1度思い返してみてほしい

各家庭にそれぞれ事情がある。

いくら考えても酷い親で大嫌いな人もいるし、

「親を好きになれ」

「親を大切にしろ」

などは決して思ってない。

ただ、今までを思い返せば私のように当時は見えていなかった部分がある人もいるのではないか?と思う。

親は一番身近で鬱陶しく思うことも多いし、気を遣わずに自分のワガママや暴言を言いやすいし、誰よりキツく当たってしまう存在になりやすい。

それに子供は親の気持ちが分からないし、親が今までの人生の経験を基に叱る注意も理解できずストレスに感じる。

苦労も見えないからどれだけ大切にしてもらっているかも分からないし、分かろうともしない。

私はそうだった。

 

「ありがとう」と「ごめんなさい」

私はとてもワガママな性格に育っている。

家族内で私に怒る人もいなければ、欲しいものを我慢することもなかった。

父が子供に分からないところで苦労を重ね、子供に不自由な思いをさせないように友達と同じものを与えてくれた。

今の私が父に対して思う気持ち、

今までキツく当たってごめんなさい。

ずっと大切に育ててくれてありがとう。

自分の親を好きでも、嫌いでも、心の底から思うのであれば構わない。

ただ、私のように“あのとき、ああすればよかった”と感じることが、少しでもなくなってほしい。

後悔先に立たず、、、これを読んて下さった皆さんが、自分の親に対して後悔せずに済みますように。。。

真っ赤なトマト